建築の仕事

「施工監理やめとけ」と言われるが実際はどうなの!?

施工監理はよく3Kと言われてますよね。キツい・汚い・危険。その中で仕事をする施工監理職は「やめとけ」とよく言われます。では実際に施工監理職はどうなのか。

僕自身、内装の施工監理職、設計監理、住宅の現場監理職を経験してきました。

また、その他にも営業や設計、確認申請業務、造成計画にも携わってきており、様々な経験から施工管理職は実際に働きやすいのか。やっぱりやめといた方がいいのかをご紹介いたします。

施工管理職がやめといた方がいい理由は?

施工監理の内容によって変わります。ここではあくまでも建築に限っての施工監理職の内容をお伝えてしています。橋や道路、鉄道などは僕自身あまり知らない為、もし経験した方がいらしたら教えてください。

建築の現場監理はざっくり分けると3つ

  1. 店舗内装の監理
  2. ビルやマンション、ホテルなど大型物件の監理
  3. リフォームや新築住宅の監理

こんなところでしょうか。それぞれで大変さが変わります。一概にまとめるのは難しいので、ざっと書き出してみたいと思います。

「やめとけ」と言われる理由

  • 夜勤があるような内装監理は大変
  • 近隣などのクレーム
  • 日曜日しか休みがない
  • 人手が足りてない
  • 業務量が多い
  • 残業せざるを得ない
  • 現場での作業以外の仕事がたくさんある
  • 責任が重すぎる
  • 緊急時の対応がある
  • プライベートの予定が決めづらい
  • 工程が厳しい
  • 引き渡し間際になると休めない
  • 平気で1ヶ月ほどぶっ通しで働かせる
  • 怒鳴る人が多い印象

ざっとあげるとこんなところでしょうか。書き出して思いますが、結構ありましたwww
また、現場監督は通常正社員です。(業務委託や個人でされている方もいます)その正社員と職人さんとでは給料がもらえる仕組みが違いますので、双方に少しのズレが生じております。このズレの違和感を僕はずっと抱いていて、休みが欲しいのは僕だけか!?と現場ではいつも思ってました。

職人さんは働いたら働いた分だけもらえる!?

「職人」とまとめるのはあまりよろしくありませんが、大抵の職人さんは個人でされている事が多でしょう。もちろん企業に勤めている職人さんもいるため、一概には言えませんが。。
なので、1人工で金額が増える事が一般的なので、稼ぐためにはたくさん働く必要があります。かたや正社員で働いてる人は働いても給料は変わりません。正社員で働いているのであれば、できる限り勤務時間が短い方がいいと思うのは当然のことです。

「職人さんはたくさん働きたい。」「監督や企業勤めの職人さんは、しっかりと休みたい。」
この違いは割と大きな問題だと感じますね。
現場は基本日曜のみか祝日と日曜のみの場合がほとんどです。これは新築住宅もビルもマンションも変わりません。現場に常駐しないといけない現場監理の仕事であれば、必然的にその分休みも少なくなります。

たとえ、現場が終わってから取れるとなっても、その全ては取得できないのがほとんどです。なぜならすぐに新しい現場がスタートするからです。

施工監理は必然的に休みが少ない


僕が内装の施工監理をしていたときは、土日祝日休みですが、土曜日は第二、第四だけ休みという感じでの採用でした。なので、基本から休みが通常の企業よりも少ないです。
年間にすると100日くらいでしょう。通常であれば、120日です。20日の差は割と大きく感じます。1ヶ月分多く働いていることになります。さらに現場が進むと週1回しか休みがありませんので、年間100日も実質ないに等しいです。
現場が終わり、休みをもらえましたが、それでも多くの休みは取れませんでした。次が始まるので、次の仕事をしなきゃいけないからです。

本当に心から好きと思えないと務まらない仕事です。

好きでない人がこの仕事をすると「やめとけ」となるのです。大抵の場合、多少の嫌な仕事でも「休みが多いし」とか「残業がないし」というプラスの理由があるため、「やめとけ」とはなりません。

現場監理はやりたい理由が極端にすくないのです。だから、経験した人は「やめとけ」というのです。

それではここから現場別でそれぞれ解説していきます

  1. 店舗内装の監理
  2. ビルやマンション、ホテルなど大型物件の監理
  3. リフォームや新築住宅の監理

内装の施工監理

内装の施工監理はC工事と呼ばれる工事で、最終仕上げの段階となります。A工事がほぼ完成した段階で、C工事業者が入って各区画ごとに工事を進めていきます。
例えば新築の商業施設を工事スタートするとします。

  1. A工事業者が躯体工事を行う
  2. 電気設備工事(B工事)が完了
  3. 区画ごとにC工事業者が仕上げていく

ざっくりとこんな感じで進めます。大抵の場合施設のオープン日が決まっております。なので、どこの業者も工程ゆとりがありません。それゆえA工事業者の工程が遅れたりするとC工事が大変な目に合います。
お施主側からすると土地代など様々な費用がかかり少しでも早く営業できる形にしたいため、建築はいつもゆとりがありません。なので、基本的に休みは日曜日のみだったりするのです。
大体は8時から18時までの作業で残業申請すると20時ほどまで作業ができたりします。そのあたりで、もう働き過ぎじゃね!?と思うかもしれませんが、さらに現場が終わってから次の日の段取りや、資材の発注、職人の手配など、仕事が残っており仕事量が半端ないのです。

内装監理の仕事は1現場に1人常駐する必要があり、作業工程をその都度職人と一緒に進めていく必要があります。さらには施設内の定例会という面倒な会議であったり、搬入車の誘導、その他もろもろ現場での仕事も割と忙しかったりします。

内装工事で一番厄介なのは、営業中の施設の1区画の内装工事です。これは施設の営業が終了してからの工事となります。そのため夜間の工事がほとんどになります。
また施設によって閉店時間が異なりますので、遅くまで営業している施設などの工事は作業時間が限られている上、工程が短いので、現場が荒れるのです。狭い区画に1日20人ほど入る時だってあります。
まじで恐ろしい仕事です。
駅構内の店舗の仕事を行った時はホント大変でした。区画に行くまで、汚してはだめななので、養生しないといけません。その時間も取られるし、定例会も長いし、搬入経路が長かったり、また搬入経路まで養生しなければいけなかったりと、書けばキリがありません。

給料はどれくらい!?

僕が勤めた時はまだ25歳でした。その時の給料は19万円でした。超低賃金でしたね。www

ボーナスは50万円ほどもらえましたが、月給の手取りで言うと16万円で、正直毎月赤字続きでした。
ここまで働かせていながら、給料が少ない企業が多い印象があります。どうせ施工監理で働くのであれば、大手で働いた方がいいです。福利厚生も充実していて、ある程度のお給料がもらえますし、休ませないといけないので大手を検討しましょう。

僕が入社したのは10人規模の小さな会社でした。今もご健在です。求人を見ると今では環境も変わっていて、勤務時間が短くなっておりましたね。厳しい時代で生きていたのか。。

ビル、マンション、ホテルなどの大型施工監理

こちらはつまりA工事の施工監理です。A工事は結局のところ最後の最後まで監理をする必要があります。C工事業者が入ってからも監理する必要があるため、定例会を行い様々な業者に安全管理や、ルールを守ることの徹底をしなければなりません。監理は1現場に数名で、現場に事務所を構えて常駐する形になります。ずっと作業を見て進めていくわけではないので、事務所で仕事ができる分まだC工事よりも時間の使い方はうまくできます。
しかし、まとめている事が大規模なので、とても大変です。基本的にいう事聞かない業者が多いので、口調が荒れたりもします。自分が思う通りに進むことが滅多にないので、臨機応変に対応できる能力がないと、とても厳しいと感じます。

実際は経験してませんので、他にも様々な大変な事があるかと思います。想像もつかない大変さは確実にあるでしょう。規模が大きくなればなるほど大変さ、責任の重大さは増す一方です。なので、休み返上してまでも働く人が多いです。

その分給料がいい!?

もちろんその分の給料が良かったります。これは実は企業によって異なります。実際僕がホテルの監理してた時にA工事のゼネコンさんの監督は、50代で月給25万円と言ってました。ほとんど休み取れていない上、毎日朝は7時過ぎからきて夜は9時以降に帰宅する事が普通で、引き渡し前になると徹夜で過ごし、1ヶ月間は全く休みなく働いてました。
それなのに月給25万円とのことでした。

会社は選ばないと大変なことになりますね。

住宅などの小規模な施工監理

現在の職である住宅の施工監理です。こちらでは1人月3・4件を監理する感じです。現場に常駐する必要がなく、職人さんに任せておけば大丈夫です。

今の仕事は土日祝日が休みになっており、働きやすい環境です。ただ、土曜日や祝日は現場が動いているので、何かあった時は出勤しないといけません。
しかし、今の会社は代休を取得しないといけないようになっておりますので、その辺りはしっかりと働きやすい環境が整っております。

またフレックス制でリモートワークが可能のため、毎朝同じ時間に事務所に行って仕事する必要もなく、自分のやりたいように進めていけるので、最高です。

住宅で注意しないといけないのは、近隣のクレームや設計ミスなどによる対応です。
個人の方がローンを組んで大金を支払って念願のマイホームなので、とても綺麗にしないとすぐにクレームが来ます。さらに設計段階からミスがあり途中で気づいて直さないといけないとかになることもしばしばあるので、そのあたりは結構大変だったりします。近隣のクレームも多く「現場止めろ」と言っていくる方も多い印象です。すごく神経質になって現場を進めていく必要があり、1つのミスが命取りだったりする事があるので、雑には決してできません。

給料はいい!?

月給は約30万円です。正直30代では少ないとは思いますが、転職してきて上がったのは事実です。
他の業界よりも多少は水準は高いですね。どこも25万円だったので、その辺りは良きです。

施工監理の良さは?

施工監理の一番の良さは「完成品が目に見えてわかること」です。全く何もないところから、ものができるので、できた時の感動は味わえます。
他にも僕が思う良さは

  1. 現場で職人さんと仲良くなれる
  2. デスクワークでなく自由に仕事できる
  3. 自分が考え計画した通りに進んでいく
  4. 問題解決した時の喜び
  5. 自分の家づくりの参考

こんなところでしょうか。やはり一概にどうこう言えることではありません。それぞれの好みがあります。大変と思う人もいれば楽勝だと思う人もおります。

この業界に合う合わないがあり、気になるのであれば、挑戦してみればいいのではないでしょうか。ダメならすぐにやめても、どうにでもなります。実際僕自身内装の施工監理は10ヶ月ほどで退職しましたので。

僕自身、「やめとけ」と言いたいのは店舗であったり大型の施工監理です。休みがしっかり取れる環境であれば、全然いい仕事であると実感しております。

今回は以上です。最後まで見ていただきありがとうございます。

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