二級建築士

【二級建築士】製図で合格するためのコツ5選

  • 筆記試験合格出来たが、製図試験は自信ない
  • 製図が苦手なので合格できるか不安
  • どう勉強したらいいかわからない

こういったお悩みをこの記事では解消出来ます。

二級建築士を令和2年度に一発で合格

製図には自信がなかった僕でも、筆記試験終了後から勉強し始めて、見事合格できた経歴があります。

コツをお伝えする前に一番大事な事があります。

「法適合した、建物を時間内に描き終える事」

これさえ守ればあとはコツを取り入れて合格に近づけましょう!独学だって夢じゃありません。

製図試験のコツその一

時代のニーズに合わせて設計をする

設計製図は時代に沿った課題が出ます。昨年で言うと「シェアハウスを併設した高齢者の住まい」です。

高齢化社会の日本、そしてシェアハウスが増加している中でどのような事を設計に取り入れるのかという意図があるのかな。と僕は思っています。これからの時代をどのように心地よく住みやすい環境にするのかを計画するのがポイントです。

製図試験のコツその二

駐車場は交差点を避ける

これはどの市区町村も開発や条例を進める上で指導される内容です。

危険を生み出す設計はだめという事です。

交差点の駐車場は危険です。設計はまちづくりや、市民の安全面も含んで計画をする必要があります。危険が想定される設計は避けるべきでしょう。

市区町村の中には、串刺し駐車と言って境界線と垂直に数台駐車する駐車方法も、歩行者の危険や通行の妨げとなるため禁止しているところもあります。二級建築士の試験ではそこまで気にしなくてはいいですが、そのような実例もあることを頭に入れておきましょう。

指導されるような内容をやらない設計は「こいつわかっておるな」と思われるかもしれませんので、できるだけ意識して試みるようにしましょう。

製図試験のコツその三

フリーハンドでも合格する

製図は綺麗に書くに越したことはありません。綺麗な製図ほど好かれるものはないです。ただ、綺麗を追求しすぎると、時間がなくなっていきます。

実際、全てフリーハンドで合格した人もいると聞きます。

僕自身も最後の方は、時間がなくて引き出し線をフリーハンドで書きましたが、合格できました。勉強してた時もフリーハンドで書いたことがなかったため、ふにゃふにゃでしたwww

それでも合格はできます。大切なのは問われている課題に対してしっかりと法的にクリアしているかどうかです。まずはそこが出来ていなければ不合格になります。不合格ラインを超えて、より合格の確率を上げるために、綺麗に描いたり、条例を意識したりとする訳です。

家具等はフリーハンドで描く方が早いと思うなら、練習しておきましょう。トイレならトイレだけずーっと書き続ける。僕もそうしてましたが、一向に上手くならなかったので、三角定規で家具を描く練習をしました。三角定規だと綺麗に見えて素早く描けたので、試験も三角定規で描きました。

製図試験のコツその四

2階建ての住宅なら隣地から最低1,800mm以上離すようにする。

これにはいくつか理由があります。

  • 軒のライン
  • 採光計算
  • 外壁後退
  • 北側斜線制限
  • 敷地内通路

ざっと考えるのはこんなところでしょうか。

計画上でどうしても1,800mmを下回ってしまう状況も出てきます。その時はいくつかの法令を意識して計画しましょう。

1,800mmも隣地境界から確保していればどの法令も引っかかることがないでしょう。(建築試験の中では)

軒のライン

軒のラインは平面上では忘れがちです。軒の出は450mmと私は決めておりました。なので、極端に言えば450mm以上境界から離隔を確保していれば問題はありません。

軒のラインは決めておくことをおすすめします。またデザイン面で900mmほど伸ばしたいという減点対象になりかねないことはやめておきましょう。試験にデザイン面をそこまで考慮する必要はありません。

採光計算

住宅を計画するなら居室に採光、換気は最低でも知っておきましょう。ここでは採光だけお伝えします。

室面積の1/7以上の採光に有効な開口部を確保する必要があります。

例えば隣地側に洋室を確保したとします。その洋室の採光を計算するにあたり、「D/H×6-1.4」が採光補正係数となります。この「補正係数×窓の面積」が「部屋面積の1/7以上」であれば、その居室の採光はクリアできているのです。ちなみにこの計算は住居系なので、その他地域はD/H×10-0.1となるので注意です。

2階建ての場合屋根から窓の高さはだいたい4.5mほどがHとなります。まどの面積は1.2×1.8としましょう。そして境界から1.8m離したとします。

1.8-0.45(軒の出)=1.35これがDとなります

よって計算式は1.35/4.5×6-1.4=0.4

1.2×1.8×0.4×7=6.048となります。

室面積が6.048㎡以下であればこの採光はクリアとなります。

ちなみに6㎡の洋室は3.5畳ほどの大きさなので狭いです。採光は道路面で確保する方が安心です。道路側であれば採光補正係数は1以上3以下になるので、ある程度は確保出来ます。

採光に関して言えば隣地からの距離が900mmだけでは1階の採光は確保出来ないということを覚えておきましょう。

3階建てになるとより厳しくなります。窓を大きくすることや境界線までの離隔をより確保するように計画を立てましょう。

外壁後退

外壁後退は第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域において隣地境界線から外壁まで1mあるいは1.5m後退が必要となる法律のことです。

課題で指定された場合は境界から後退する必要があります。1mの場合は北側だけで大丈夫なのですが、北側の方位が振ってある場合は要注意です。

大阪府豊中市の建築基準法解釈・取扱集P43に記載されておりますので、参考に見てみると理解しやすいかと思います。

北側斜線制限

北側斜線制限は第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域にかかる法律のこと。

つまり、北側からH=5および10mから1.25勾配以下の位置に収めないといけないということです。

低層地域の場合は5mで中高層地域の場合は10mとなっておりますので、注意が必要です。

0.9×1.25+5m=6.125m(隣地と計画地の高低差が±0とした場合)

北側隣地境界から900mmだけだと高さが6.125m以上超えてはいけません。これだと2階建てのお家はギリギリライン。階高の設定によってはアウトになるレベルです。ちなみにこちらの計算は一番境界ラインから短い距離で計算します。つまり大体の場合が軒の出のラインとなります。そう考えると外壁面から境界まで900mmではアウトということになります。

なので、1,800mmほど余裕みて計画することが望ましいです。

敷地内通路

敷地内通路は1,500mm確保する必要があります。しかし緩和される場合は900mmでも可能です。

通路なので人が通らない場所であればもちろん確保する必要はありません。

>>建築基準法における『敷地内通路』とは|法改正による緩和基準も解説

製図試験のコツその五

出来るだけ簡単なプランにする

プランにこだわりなんていりません。実に簡単で使いやすいようなプランを書けばいいのです。

なぜなら、実際に住まない上、そこに感情が伴わないからです。言い方悪いですが、所詮試験のための設計。万人受けする設計の方が、審査しやすいのだと思います。これは僕の推測ですが。

何千もの図面をチェックして、合否判定をしないといけませんので、凝ってしまうと返って落とされる結果となりかねません。

シンプルに、わかりやすくその中にあなたの想いを込めればそれでいいのです。

その際、概要の書き方がヒントとなります。

プラン概要のヒント

ここでは例えば僕だったらこのように書くというような例えを記載します。参考に取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • 南側からの採光を十分に取るプラン
  • 家事がしやすい
  • 緑と共に暮らす事で健康的な住まいを実現
  • コミュニケーションが自然と取れる計画とした。
  • 立地を活かした計画とした。例えば桜並木が綺麗に見えるワークスペースなど
  • プライベート空間と集い空間を明確に分けることで、二世帯が暮らしやすい計画とした。

などなど、課題によって、あなたがどういった想いで設計するかを決めると設計しやすいです。

はじめに決めておくと概要に関しては、迷わずにすらすらかけるようになります。

僕は今の家が北側にあり、十分に採光が入ってこないため、採光が取れる家の設計をしようと決めてました。

何度も練習するうちにここはみえてきますので、とにかく沢山の図面に触れて、書くことが合格の近道です。諦めずに頑張りましょう!

まとめ

  • 時代のニーズに合わせて設計をする
  • 駐車場は交差点を避ける
  • フリーハンドでも合格する
  • 2階建ての住宅なら隣地から最低1,800mm以上離すようにする
  • 出来るだけ簡単なプランにする

このことを意識して、できるだけ多くのプランにふれ、できるだけ多く書くことです。

応援してます!!

この記事を見て合格できたって報告があれば嬉しく思いますので、もしも合格して気分が高揚していたら、メッセージでも送ってください。僕も励みになりますし、より良い記事を書く原動力になります。

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